熊式。

大熊一精(おおくま・いっせい)の日々あれこれです。
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常連さん

雨と風。それでも礼文島に観光に来たみなさんは雨具完全装備で山歩きに出かけるんですけど、われわれは、どうしていいのかわからず、宿に滞留しています。こんな雨と風の中、わざわざ歩きに行くこともないわけで。

われわれ、というのは、この時期になるとやってくる常連客であり、われわれ、といっても、基本的にはみんな個人だから別に一緒に示し合わせて何かをやるわけでもなく、この時期に来るのもなんとなく来るだけであってみんなで待ち合わせしているわけでもなんでもない。

宿泊客から「宿の方ではないんですか?常連さんですか?」と尋ねられるのは慣れているけれど、昨日は、ちょっと、答えに窮しました。若い女性から「かなり前からいらしてるんですか?10年ぐらいですか?」と問われて、そうか普通の人が想像する常連さんというのは10年ぐらいのことを言うのか、ここで30年って言ったらどうなるんだろう…と、一瞬、考えてしまったわけであります。

この宿がユース・ホステルから民宿になって、今年で20年だから、ユース時代を知っている人は、みんな、少なくとも、20年は来ているわけですよ。民宿になってから、ある程度の年齢になってから常連客になった人もいるけれど、若い多感な時期にたまたまここに泊まって、そのまま、いつの間にか、毎年来るようになっていて、毎年来てももうやることもないから、適当に遊びつつ、宿の手伝いしたりしてるんだけど、べつにバイト代もらってるわけでもなければ宿代をタダにしてもらってるわけでもなく、宿泊費は普通に払っているわけですよ。

それは、やっぱり、不思議なんだろうなあ。

「最初はどうして礼文島に来たんですか?」と聞かれて「その頃は北海道を旅行する若者はみんな利尻・礼文を訪れて、礼文では愛とロマンの8時間コースを歩くのが定番だったんですよ」と答えたら、これまた驚かれて、若者がこぞって離島を目指していたなんて、もう、いまの若い人たちには、想像もつかない世界なんですねえ。

目の前にある車に行くのすら億劫なほどの雨と風。せっかく来たのに…なんて考えてもつまんなくなるだけなので、これはこれで、何かのチャンスだと思って、受け入れたほうが気が楽です。

というわけで、今日は朝から子供たちの相手したりしてます(^^;

2階客室からの風景
 
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フラワーマラソンリベンジ

毎度のワンパターンですが、また、礼文島に来てます。仲間との再会だったり、夏空の下でのトレッキングやバーベキューや花火、あるいは日頃の睡眠不足を補う快適な昼寝と、楽しみはいろいろあるのですが、今年の裏目的は、マラソン強化合宿だったりします。

本当は晴天の気持ちよさそうな日に走りたかったんだけど、そんなこと言ってるうちにチャンスを逃してしまうかもしれないし、明日になればまた何か違うイベントが発生して走りに行けなくなるかもしれないので、今朝は、曇天ではあったのですが(礼文らしい天気ともいえる)、送迎の車に同乗させてもらって、まずは香深港へ。



曇天強風だったのに(強風だったからか)雲がとれて利尻富士がきれいに見えました(が、見えていたのはほんの少しの間だけで、すぐに雲の中に隠れてしまったのですが)。

ここからスタートして、島の北部にある民宿海憧まで、ただひたすら、淡々と、走るのみ。横風ときどき向かい風が思いのほかキツくて(マラソン中継とかでよく言ってる「海からの横風が」というのはこれのことかと実感)、最初は走りづらかったんだけど、走っているうちにだんだん楽しくなってきて、途中に何箇所かある覆道は車では何十回あるいは何百回通っているものの自分の足で通過するのは初めてで、そうすると、歩道部分だけは覆道の外側の海沿いにあったりして、そういうのもいちいち楽しい。

なにより走りやすいのは信号がまったくないことで、信号を気にしてストップする必要がないから、自分が走りやすいように走れる、ので、気づいたら14キロほど(給水もなしに)走りっぱなし。

さすがに、いったん、休憩入れるか、ってことで。



昨日、稚内のサツドラで、この手のブツは多数仕入れてきました。メダリストの粉末とか、ウィダーのプロテインバーとか、おまえはアスリートか(^^;)ってぐらいに、いろいろ。

まっすぐ進むと距離は短いけれど峠越え、右へ進めば平坦だけど距離は長い。



でも、ここはやっぱり、負荷かけたほうがよかろうってことで、それに、いつも車で通るときはまっすぐなんだからと、峠越えを選択して、あまり無理もせず、しかし歩くこともなく、最終的には、港から宿までは18.2km(GPS時計による測定)、2時間2分ほど。まだ走れそうな気もするんで、スコトンまで、あるいは西上泊まで、とも思ったけど、無理しないで、この辺でやめておきます。

マラソンってお腹がすくんですねえ。宿で早めのお昼をごちそうになって、いやさすがにこんなには食えないんじゃないかと思ったのに、あっという間にたいらげてしまいました。

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道北の車窓から

朝晩かなり涼しくなってきて、もう夏は終わりなんじゃないかとの声も聞かれる今日このごろですが(37度の地域にお住まいのみなさんには申し訳ないんですけど北海道はそうなんです)、まだまだ、夏の空、盛夏です。



こんななんでもない風景でも、窓が大きくてちょっとゆったりした座席の列車から見ると、とても、心地よい風景になるーというのは、いまさらながらの発見でした。個室じゃなくてもいいし、アテンダントのサービスがなくてもいい。普通の座席でいいんだけど、大きな窓がほしい。北海道だからこそ、窓の外の風景が広い北海道ならではの、窓の大きな車両がほしい。

窓を大きくすれば強度の点で問題が生じるであろうことぐらいは、素人でもわかります。でも、北海道の魅力を伝えるには、絶対、大きな窓です。それと、隣の人と肘が接しない程度の幅の座席、となると、1,067mmではやっぱり3列なんでしょうね。そりゃそうだよね。都市間バスなんて、とっくに3列座席が主流になってるじゃないですか。

文庫本と音楽を携えて、窓の大きな、ゆったりした座席の列車の旅は、とてもゴキゲンです。最近しょっちゅう乗ってる宗谷本線の旅だから、飽きるんじゃないかと思ったけど、ぜんぜん飽きない。窓の外を眺めるのに飽きたら文庫本のページをめくればいいし、くたびれたら目を閉じて居眠りすればいい。そして目を開けると、大きな窓の外に高い空がある。(ぼくは飲まないけど)ビールだって飲める。そんなこと、クルマの旅じゃできないし、この落ち着きはバスの車内では得られない。

そういう視点で乗っていると、もったいないなあと思うことが、たくさんあります。たとえば名寄の手前で車窓の右手にキマロキが見えることは、ぼくは知っているからそのときに備えて目を凝らして窓の外に目を向けているけれど、大半の人は気づかないし、気づいたとしても「?」で終わってしまう。ここで、キマロキが見えますよ、これはここにしかない昔の除雪車なんですって説明をすれば、観光旅行者なら、「へ〜」「ほ〜」と感心してくれるかもしれない。ビジネスで乗ってる人にはうるさいかもしれないけど、ビジネスで乗ってる人がそんなにたくさんいるならば廃止なんて話は出てこないわけで。

あるいは、車窓にしばしば登場する、牧草ロール。あれが何かは、ぼくらは北海道に住んでいるから知っているけれど、道外の人や、ましてや海外の人には、珍しい、北海道らしい風景であるはず。これはこういうもので、という説明をして、さらに、サイロの話なんかもすると(道外の人はいまだに牧場経営にはサイロが必須だと思っている人が多いですからねえ)、観光旅行者は嬉しい。北海道の農家にとっても、自分たちのことを知ってもらえるのは嬉しい。

いちいちうるさいよ寝かせてくれという人は、別の列車に乗ってもらえばいいんです。そういうのを楽しいと思ってくれる人だけ乗ってもらうことにすればいい。

たとえば、ぼくはいま、特急宗谷に乗っていて(座席で書いてます)、列車はいま音威子府を出たところなんですけど、車内放送で「音威子府村は北海道でいちばん小さな村で…」とか、説明があったら、おもしろいじゃないですか。去年、大阪から鳥取まで、スーパーはくとに乗ったら、客室出入口のドアの上の電光案内板で、列車がそのときに通過している市町村の説明が流れたのを見て、ああ、これはいいなあと思ったんですよ。そんな説明の原稿を作っていちいち読むのは車掌さんの仕事を増やすことになって大変かもしれないから、やっぱり車掌さんとは別のアテンダントさんが必要なのかもしれない。



新しい北海道の列車を、普通の旅行者がわくわくできる車両を、つくりましょう。時間はかかるだろうけど、つくりましょう。まずは鉄路を残すことが第一だけど、鉄路を残すことを目指すのではなく、その先に何をするかをイメージして、そのために鉄路を残すんだってことをしないと、出口は見出だせないような気がするわけで、だから、新しい北海道の列車を、新しい北海道の車両を、みんなで、つくる。夢を語らなきゃ、いつまで経っても現状の延長線にしかなりませんから。

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祝 阿寒摩周国立公園誕生

昨日、阿寒国立公園が「阿寒摩周国立公園」に改称されました(報道発表資料)。

これは、先月、釧路へ行ったときに撮影した写真。
釧路駅 阿寒摩周国立公園の垂れ幕

上の垂れ幕の「祝」の文字の下には、「阿寒摩周国立公園誕生」とともに「釧路湿原国立公園指定30周年」との表記もあります。ああそうなんだ、もう30年も経ったんだと、時の流れの速さに(あるいは自分が年をとったことに)あらためて驚かされます。

釧路湿原国立公園指定のときは、旅人として、道内にいました。

釧路湿原国立公園指定記念のオレンジカード

釧路湿原国立公園の指定日は、いまから30年前、1987年の7月31日で、その日は小樽で朝を迎えています…ということは、レイルウェイ・ライター種村直樹先生の作品で、わかります。

『気まぐれ列車に御招待』89ページ
1987年7月30日の行程図

前夜は種村先生と旭川のビジネスホテルに宿泊し、7月30日は、旭川から気動車の臨時快速列車で小樽へ、というのが、上の図です。図の中に「江部乙」「銭函」がわざわざ記載されているのは、この臨時列車は、江部乙の次の停車駅が銭函だったからで、なんと札幌すら通過でありました(が、実際には、札幌駅では、ドア扱いがないだけで、ホームにしばらく止まってました)。そして、その日は、小樽(朝里川温泉)に泊まったのでした(ということも、上の本でわかります)。
 
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やっぱり紙の本

資料として購入。

本 保存車大全コンプリート

これはすごいです。全国の鉄道保存車両が写真付きで掲載されている、というだけでも十分すごいんですけど、さらにすごいのは、巻末に掲載されているカテゴリー別の保存車リストです。その数、3000超。カテゴリーというのは、蒸気機関車、ディーゼル機関車、電気機関車、ガソリン機関車、エアーロコ、バッテリーロコ、客車、気動車、電車、リニアモーターカー、バッテリーカー、モーターカー、トロリーバス、貨車、軌道自転車という車種であり、さらに、車両の状態として、車体のみ、カットボディ、前頭部、台車のみという区分がなされたうえで、形式別に、保存車両の番号と保存場所が一覧にまとめられています。

たとえば気動車の箇所をみると、ぼくがよく乗ったキハ30やキハ35は、関東地方を中心に12両も保存されていることがわかる。かたやで、キハ40系列は(まだ現役ではありますが)幾寅駅前のカットボディが唯一の保存車であることもわかる。

検索性という点では圧倒的にインターネットのほうが便利だし、メンテナンスという点でもデジタルなデータベースのほうが使いやすいとは思うものの、一覧性では、やっぱり、紙の本です。デジタルネイティブな方々が世の中の大半になれば、もしかすると脳の働きが変わってきて、デジタルな世界の中で一覧性を読み取る力が生まれるのかもしれないけれど、アナログとデジタルの間で生きているぼくにとっては、こういうのは、紙です。

これで本体価格1800円というのは、労力を考えたら絶対に合わない仕事だと思うんですけど、それが簡単に入手できる形で流通しているというのは、とてもありがたいことです。感謝!

 
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