熊式。

大熊一精(おおくま・いっせい)の日々あれこれです。
<< October 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 長い昼 | main | 「αと旅するオホーツク釧網本線」ギャラリートーク >>

ドラマチックトレイン

6月15日深夜(16日未明)のキハ183の輸送の様子が、昨日のSTVニュース(どさんこワイド)で放送されました(SLと特急 あびら道の駅にやってきた 被災地の復興けん引 北海道安平町(北海道))。ニュース動画の中で「輸送業者」として登場するアチハ株式会社には、その前のD51も運んでいただきました(道の駅「あびらD51ステーション」にSL移送 安平=北海道新聞どうしん電子版)。

作業終了後、アチハで今回の輸送を担当された方々とお話をする機会がありましたが、みなさん口々に(人によっては興奮気味に)お話されていたのは、D51の輸送を見守る安平町の地元住民のみなさんの歓迎ぶりに感激した、ということ。

先日も書いたとおり、D51の輸送日時は非公表ではあったのですが、もともとD51が保存されていた旧安平町鉄道資料館ではその前日から大型クレーンが入ってD51を吊り下げるなどの作業が行なわれていたのですから、近くにお住まいの方であれば、今夜あたりかなあ、ぐらいの想像はついたはず。上のリンク先の動画にもあるように、輸送当日、安平町追分の市街地では、大勢の地元の方が、D51が旧資料館から道の駅へと運ばれていく様子を見守りました。

アチハさんによれば、鉄道車両の輸送時に大勢のギャラリーがいることは珍しくないらしいのですが、今回は、とくに、沿道に詰めかけた地元の方々の興奮や熱気、歓迎ムードが伝わってきたとのことで、D51を積載したトレーラーの運転手さんは、市街地に入った途端に沿道の人の数が急増したこと、とりわけ大勢のお子さんが目を輝かせているのを見て、できるだけ長い時間D51を見せたい!と思い、市街地を抜ける間だけ、本来はやらない減速をしたそうです。

さすがは新しい道の駅の名称に「D51」を冠するだけのことはある町です。この町では、蒸気機関車が、鉄道が愛されています。鉄道で発展してきた町だけあって、キハ183設置に向けた一連のプロジェクトの中でお会いしてきた方の多くが、家族や親戚の誰かが国鉄で働いていた方でした。

STVニュースの見出しにもある「被災地の復興けん引」は、他の地域で暮らす人からみれば「どうして鉄道車両を展示することが復興のけん引なんだ?」と疑問に思うことかもしれません。でも、この町にとっては、鉄道車両は、復興のシンボルとなり得るのです。

復興、というのも、また、最近ではずいぶん軽い言葉になってしまったような印象があるのですが、今回の一連のプロジェクトでお付き合いしている安平町役場の方々の中には、いまだにほとんど休みを取れていない方もいらっしゃいます。また、役場の方は、みなさん、昨年9月6日の地震から1ヶ月ぐらいの間の記憶が飛んでいるというお話をされます。まだまだ、大地震の被害からの立て直しは続いており、そのためにプライベートを犠牲にしてでも身を粉にして働いている方が、たくさんいらっしゃいます。

道の駅あびらD51ステーションを核とした観光振興(役所的にいうと交流人口の増加)は、まだまだ、これからですが、まずは車両が搬入されて一区切りがついたところで、関わった方々と話をしてみると、いろんなところにドラマがありました。現場はいつでもドラマチックなのです。

旅と鉄道 | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | - | -

この記事に対するコメント

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://work.kuma-i.com/trackback/1196182
この記事に対するトラックバック