熊式。

大熊一精(おおくま・いっせい)の日々あれこれです。
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釧路の石炭輸送列車は今も現役

今日の札幌は冷たい雨。わずか3日前には最高気温27度超と夏のような陽気だったのに、あれは夢だったんじゃないかと思うぐらいに、暗くて肌寒い土曜日です。

あの日も、冷たい雨でした。

2018年5月2日水曜日、釧路。
半月以上も前の、釧路ですから、いまの札幌よりも、ずっと、寒かった。

太平洋石炭販売輸送 臨港線 春採(はるとり)駅


太平洋石炭販売輸送臨港線は、春採駅から知人(しれと)駅までの4.0km。JRなど他の鉄道路線とはまったくつながっていません。

春採駅は釧路コールマイン(現在も坑内掘の石炭採掘が行なわれている日本国内唯一の施設)の積炭場に隣接しており、そこで積み込んだ石炭を、貯炭場のある埠頭に隣接した知人駅まで運ぶのが、この石炭列車です。知人駅まで運ばれた石炭は、船に積み込まれて、国内各地の火力発電所へと運ばれていきます。

この日は、いつもお世話になっている釧路臨港鉄道の会の星さんに車でご案内いただき、春採駅まで連れて行ってもらいました。

D800形機関車は1966年製。前面に描かれた3本のVラインは、この機関車の所属が、雄別鉄道→釧路開発埠頭を経て、当社が3社目であることを表している由。



「ちょっと待っててください」

そう言って、駐車の了解を得るために春採駅の事務所に向かった星さんが(雨と風でものすごく寒い中なのに)にこにこしながら戻ってきて「ラッキーでしたね。今日、この後、動くそうです」。

石炭列車の運行ダイヤは1日に6本設定されているものの、掘り出した石炭の量がある程度の量にならないと列車での輸送はやらないそうで、最近は出炭量が少ないことから、1日6本運転されることはほとんどないどころか、1日に1本も動かない日も少なくないとのこと。それが、この日は、たまたま、ちょうど春採駅を訪れたタイミングで、運転されたのでした。

向こうから来た石炭列車が、目の前を通過。



「赤い旗、わかりますか?」



「あの赤い旗のところで、分割するんです…あ!離れましたね!」




まわりで誰かが作業しているわけではなく、自動で、貨車が離れていきます。





離れたほうは、さらに奥の、石炭の積み出し施設へと吸い込まれていきます。





この石炭列車には、前だけでなく、後ろにも、機関車がついています。留置線から出てきて分割されるまでの間は、たくさんの貨車を両端から機関車で挟む形になっているのです。

分割して残された貨車は、後ろ側の機関車に押される形で、積炭場へと入っていきます。





最初の列車(前半分)は中央のレーン、残った後ろ半分が右側のレーンへ。




この後、貨車の上から「バサッ」という感じで石炭が落ちてきて、貨車に石炭を積み込んだ列車は、入ってきたのとは逆の順番で、すなわち、まず右側の(こちら側に機関車がついている)列車がまず出場してきて、さきほどの分割した位置で停車すると、今度は中央のレーンの列車が機関車を後ろにした形で(機関車が貨車を押す形で)出てきて、2つの列車がガシャンと連結されます。

その辺の様子は、動画でどうぞ。

右側の列車の出発〜停止


中央の列車の出発〜連結〜知人駅へ向けて再出発


この長い列車の分割と連結に必要な人員は、両側の機関車の機関士(計2名)+地上の係員(1名)+遠隔で指令を送る係員(1名)の計4名のみ。貨車の分割と連結は、自動で行なわれています。

石炭を積み込み、連結した列車は、春採湖の湖畔を走り、知人駅へと向かいます。春採駅と知人駅の間の道路は(線路とは違って)入り組んでいるため、この連結風景を見た後では、いくら車を飛ばしても、列車の走行シーンを撮ることはできないそうです。

産業観光的な価値も見出だせそうな石炭列車ですが、先行きは不透明です。日本経済新聞2018年3月21日の記事(「釧路コールマイン 石炭供給、地産地消型に」)では《国内唯一の坑内堀石炭掘削を手掛ける釧路コールマイン(KCM、釧路市)は、2019年度から地産地消型の生産体制にシフトする。19年にも釧路市で運転を開始する小規模火力発電所に石炭を供給。出荷先を地元中心に絞り、生産規模を従来の半分程度に縮小する方向で調整している。石炭輸送コストの低減で生産量が減っても収益が出る体質にする方針だ。》 と報じられており、運炭列車そのものや、これらの機関車、貨車、線路がどうなっていくのか、気になるところです。

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