熊式。

大熊一精(おおくま・いっせい)の日々あれこれです。
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ご支援、ご協力 ありがとうございました

今年の元日から進めてきたクラウドファンディング「北海道・鉄道史の誇り。往年の「特急おおぞら」を国鉄色で未来へ」は、昨日(3月30日)23時に、終了いたしました。最終的には、885名の方から、1378万円ものご支援をいただくことができました。本当に、ありがとうございました。

昨夜は(というかほんの少し前まで)、クラウドファンディングの終了の打ち上げとして、麻生の「ほの家」さんで、ささやかな宴に加わらせていただきました。



思い起こせば、この話が始まったのは、ちょうど1年前、3月31日の夜のことでした。年度末の金曜日とあって、満員御礼大盛況の居酒屋の、すみっこの狭い、むりやり入れてもらったようなスペースに、大の男が5人、ぎゅうぎゅう詰めみたいにして飲んでいる席で、今回のクラウドファンディングの実行者となった矢野友宏さんが、183系気動車への熱い想いを語ったことが、すべての始まりでした。

そんなに言うならクラウドファンディングでお金集めてやればいいじゃないか。やるならみんな手伝うから、絶対に成功させるから、その代わり矢野さん本気でやるんだよ、という流れになったのは、いま気づいたんですけど、あの場にいた5人は趣味でつながったフラットな関係の5人だったとはいえ、年齢という点では、矢野さんがいちばん年下だったから、なのかもしれない。

翌日、というのは4月1日、エイプリルフールの日ですが、矢野さんを中心に、それぞれが、スラントノーズ車の保存へ向けて、水面下で、動き出しました。正直なことを言うと、矢野さんがFacebookに「183系を保存します」みたいなことをエイプリルフールのネタとして書いたのを見たときは、おいおい、あんまり調子に乗っちゃダメだよ!と思わないでもなかったんですけど(笑)。

最大の課題は、車両を保存する場所でした。それが決まらないと、JR北海道からの譲渡もままならない。逆にいうと、場所が決まれば、JR北海道から車両(廃車体)を譲渡していただくことは、どうにかなりそうでした、が、とにかく、場所がない。

まずは、線路がある場所、既存の営業線と線路がつながっているところを中心に、あんなところ、こんなところ、いろんな候補先を探しては、企画書を携えて訪問して、キハ183系を保存することの意義を説明し、ときには経済効果や地域振興への効果も訴え(その辺はぼくもちょっとお手伝いしました)、しかし、ファーストインプレッションでは好感触が得られても最終的な組織としての意思決定の段階になると断られてしまう…

そんなことを繰り返しているうち、JR北海道さんから内々に示されていた期限が迫り、JRさんとしても次年度の廃車の計画を策定しなければならない時期となり、もはやこれまでか…と覚悟しかけた、本当にギリギリのタイミングで巡り合ったのが、安平町でした。ぼくは、それまでは、どんな動きをしているかは聞いていたものの、せいぜい企画書作りのお手伝い程度だったのですが、安平町への最初の訪問時は、たまたま時間が空いていたこともあって同席することとなり、そこから(半ばなし崩し的に)キハ183系スラントノーズ車保存のための資金集めに関わることになったのでした。

3月31日に話が持ち上がって、それからあちこち歩いて、安平町との最初の接触が11月。そこからは、それまでの苦闘は何だったのかと思うぐらいに、ものすごいスピード感を持って、すべてのことが進んでいきました。安平町との交渉、JRとの交渉、クラウドファンディング会社との交渉、クラウドファンディングのための事業計画作り、収支計画作り、などなど、ややこしく慣れない仕事に、本業を持ちながら取り組んだ矢野さんをはじめとするプロジェクトメンバーのみなさんのパワーは(自分もその一端をほんの少しだけ担っていた身でありながらこんなことを言うのもなんですが)すさまじいものでした。

準備万端のようで、やや見切り発車気味の感もあった、元日のクラウドファンディングのスタート。JRや安平町などなど、関係者がたくさんいて、お金も絡む話ですから、事前に情報がへんなふうに漏れてへんなことになっても困るから、スタートするまでは完全非公開。スタートしてから、新聞やテレビにも売り込んで取り上げていただき、クラウドファンディングの序盤で1台目の車両保存はなんとかなりそうだと思えたものの、でも、まさか、最終的に1,000万円を大きく超えるような額が集まるとは、まったく予想だにしなかったことでした。

矢野さんは「だって183ですよ」と熱く語るけれど、蒸気機関車やブルートレインに比べたら、キハ183系は、地味です。北海道にとってはエポックメイキングな価値ある車両ですが、逆にいうと、北海道ファンにしか価値のわからない車両であるともいえます。なんといっても、北海道専用車両ですから、北海道外の方には、馴染みがない車両なのです。クラウドファンディングがスタートする前は、610万円という最初のゴール(1台分の移設必要額)ですら、本当に達成できるのかどうか、半信半疑でした。

いろんなことがありました。今夜というか昨夜というか、あの、183保存への第一歩を踏み出した夜から364日後の夜、みんなで語り合って、いろんなことはみんなで飲み込み、そして、さらに前へ進んでいくことを、みんなで確認しました。

1,378万円という大金を預かってしまったのですから、責任重大です。といっても、あんまりそういうふうに考えると楽しくないから、責任は責任としてつねに胸の奥に抱えておきながら、明るく楽しく、みんなのために、未来を生きる子供たちのために、来年春の安平町道の駅のオープンに向けて、さらにその先も見据えて、道筋をつけていくことが、ぼくらの役割です。

そんな難しい話をしたわけではなく、今夜は、気の置けない仲間たちと、楽しく、本来の閉店時刻を大きく過ぎた、完全に日付が変わってもう電車では帰れない時間帯まで、特別にお店を開けていただいて、そこで、いろんな話をして(途中で寝落ちしている人もいましたけど(^^;))、気持ち、心を通じ合うことができた晩でした。

とても素敵な仲間たちがいます。それは、とても、幸せなことです。

あらためて、クラウドファンディングにご協力いただいた皆様に、感謝申し上げます。

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