熊式。

大熊一精(おおくま・いっせい)の日々あれこれです。
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些細で面倒なことをやり続ける

いすみ鉄道に乗るといえば、たいていは、五井から小湊鉄道で入るか、外房線で大原まで行くか、なのでしょうが、ぼくは、品川からバスに乗って、いすみ鉄道の本社がある大多喜駅へと入るルートを選びました。大多喜というのは、いすみ鉄道全線の真ん中にある駅ですから、最初にそこを訪れると、いすみ鉄道全線に乗るためには厄介なことになるのですが、ぼくの目的はいすみ鉄道全線に乗ることではないし、なによりバスを使えば大原に行くよりもはるかに短い時間でいすみ鉄道まで到達することができます(東京湾アクアラインのおかげです)。

大多喜駅に着いて、まず驚いたのが、この表示。

「ホームへはご自由にお入りください。」


駅のホームに自由にお入りくださいって、わざわざ書くようなことか?と思うわけです。何かいたずらをされたらどうするんだ、事故が起きたらどうするんだと考えたら、入るなと明記することはあっても、どうぞお入りくださいとは、なかなか、書きづらいのではないかと思いますが、ここでは、入ってくださいと言っているのです。

それならばと入ってみれば、今日の日付の入った記念写真用のパネルがありました。



観光地なら、これは、当たり前のことかもしれない。でも、ここは、観光地じゃない。それなのに、こういうパネルが置いてある。鉄道にとっては大事なことは安全輸送だと考えるのであれば、安全輸送には無関係なこの日付を毎日取り替えるのは、すごく面倒なことではないかと思うのです。たかが日付の数字を入れ替えるだけ、ではあっても、少ない人数でまわす現場の仕事は、できるだけ、減らしたいはずです(鉄道に限らず一般的に)。それでもそれを毎日やっているのは、それが大事な仕事であると認識されているからなのでしょう。

列車の出発時にはホームで見送り。




このときは、これは特別に(あるいはたまたま)やっているのかと思いました。ところが、この後も、大多喜駅のみならず、国吉駅でも、その場にいらっしゃるみなさんがホームに出てきて、手を振っている。



これだって、疲れているときは、面倒なことだと思います。たかが手を振るだけ、とはいえ、列車の時刻に合わせて作業の手を止めねばならないのは、忙しいときには、煩わしく感じることでしょう。

どれも、時間にしてみたら数分もかからないような、些細なことです。そして、面倒で手間のかかることです。それをやったからといって、直接、収益を生むわけではない。でも、やり続けることで、信頼が生まれ、それがやがてブランドになっていき、そこに新たな価値が生まれるのだと思います。

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