熊式。

大熊一精(おおくま・いっせい)の日々あれこれです。
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『新鉄客商売 本気になって何が悪い』

2017年9月刊。著者は、JR九州の唐池恒二会長です。

本の表紙

《あるとき、新聞記者の方にふいに尋ねられた。
「JR九州はなぜ、あんなことやこんなことを”やってのける”ことができたのでしょうか」
とっさに答えた。
「”本気”でやったから」
「”本気”で?」
「はい。本気になって何が悪い。夢をみて何が悪い。そう思いながら、ここまでやってきました」》
(p.3「本気にまえがき」)

こんな調子で、著者のビジネスマンとしての経験が綴られていきます。

各章の後ろには、著者と水戸岡鋭治氏との対談が載っています。

水戸岡 そういう唐池さんですが、長年一緒に仕事をしていても悲壮感のようなものを感じたことはなかった。一緒にいると、わーっと楽しい空気にしてくれる。そこに集った皆さんの顔を見ていると、なんだか私も嬉しくなってくるんですね。》
(p.26)

これ、ぼくは、わりと最近になって、ようやく気づいたことなんですけど、眉間に皺寄せて仕事をしていると、なんか、仕事やってるような雰囲気になるんですよね。だけど、そんな顔してたら、まわりの人だって楽しくないし、楽しくない中で仕事をしていたところで、よい成果は得られないんです。楽しくやっているからこそ、自分の持っている力が十分に発揮されるのです。

ただし、楽しくやる、というのは、適当にやる、という意味ではなくて、目的を達成するためには、一生懸命、努力しなくちゃいけない。その努力が苦労とは感じられないぐらいに、努力しなくちゃいけない。そういう努力が(自然に)できる(できちゃう)のは、正しい夢に向かって、楽しくやっているとき、なのだと思います。

もう一箇所、紹介します。
(以下、太字は、本書の中でも太字になっている部分です)

唐池 そのちょっと変わったリーダーは(笑)、JR発足二年目のころ、新しい列車の在り方を模索し、「ゆふいんの森」や「あそBOY」といった観光列車、つまり後のD&S(デザイン&ストーリー)列車に取り組んだわけなんですが、そのころ参考にしたのは北海道の列車だったんですよね。
水戸岡 「アルファリゾート・トマム」スキー場などに乗り入れた、いわゆるジョイフルトレインですね。民間企業と旧国鉄のタイアップに始まった列車。それから、JR北海道は創業当初からデンマーク国鉄と協力関係にあるから、駅舎や列車のデザインにも北欧デザインがずいぶん取り入れられたんですよね。
(中略)
唐池 言ってみれば、当時の北海道の取り組みを通じて、私たちは同じ感性を育んでいたということですね。
水戸岡 JRが誕生して、三年くらいは北海道のデザインへの意識が非常に高かったから。》
(p.40〜41)

ここ、感心するところじゃないです。ましてや、どうだすごいだろ北海道は九州のお手本なんだぞと胸を張るようなところでもないです。そうかといって、フェイスブックで「悲しいね」を押すところでもないです。

北海道には、そういう土壌があったのだから、今はひっくり返されちゃったけれども、今度はぼくらが九州を参考にしながら、北海道の鉄道を、楽しく稼げるものにしていけばいいんです。

JR九州が、北海道を参考にしながら新しい列車づくりを始めてから、世界一を目指す列車を作るまでが、30年弱。ぼくはたぶんあと30年ぐらいは死なないと思うんで(うちの家系はみんな長生きだし、ぼく自身も一度死にかけて死ななかったですから)、まだ、時間はある。

いや、べつに30年かかるなんて誰も言ってないんだから、もっと早く実現させちゃったっていいんです。 この本を読んで、みんなで夢を語りましょう。夢を語っているうちに、本気になって、人が集まって、お金が集まって、実現しちゃうかもしれないじゃないですか。だから、とりあえず、夢を語って、いいんです。

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この記事に対するコメント

昔、種村直樹さんがRJ誌に北海道鉄道管理局に拍手という内容で記事を書いていたのを思い出します。アルファリゾートトマムが出た頃で、それよりかなり前の千歳空港駅開業のことも出しながらかなりほめてましたね。今はそんな経営努力も効果のないところまできている感じがします。
こんびに | 2017/09/21 2:32 PM
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