熊式。

大熊一精(おおくま・いっせい)の日々あれこれです。
<< December 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 台風なんて怖くない | main | 1982年の南稚内 >>

『島医者 礼文島船泊診療所』

たまたま見つけた写真集のご紹介。

2016年9月刊。

写真集の表紙

全ページ、モノクロの写真集。タイトルは「島医者」だけど、べつに医師や診療所ばかりが写っているわけではなく、礼文島の厳しくも優しい風景の写真もたくさんあります。でも、メインテーマは、島医者、船泊診療所と、診療所の升田先生です。

升田先生は、礼文島から小樽潮陵高校〜秋田大学医学部を経て、1986年に礼文に戻り、以来、30年以上にわたって、礼文島の医療を支えてきた方です。升田先生が所長を務める船泊診療所は、島で唯一の入院施設を有する診療所。検査設備も充実していますが、手に負えないような緊急事態の場合は、ドクターヘリが出動します。この写真集の中には、ドクターヘリで患者が搬送される場面もあります。

設備は充実しているけれど、常勤医師は、升田先生だけです。病気も怪我も、すべて、升田先生が診るのです。離島だから、そうするしかないのです。でも、升田先生がいるから、礼文の人々は、稚内まで船で2時間かかる島で、安心して暮らすことができるのです。

じつは、ぼくも、升田先生に、お世話になったことがあります。ストレッチャーの上に横になったまま、診療所に運ばれて、升田先生から応急処置を施されました。

礼文島の出入口である香深のフェリーターミナルが増築されたとき、同時に設置されたエレベーターには、ストレッチャーがそのまま入ります。あんな立派なターミナルが必要なのか?と思うかもしれませんが、これもまた、地域住民が安心して暮らすためには、必要な設備なのです。

こうした公共投資のことになると、とかく人口減少とか費用対効果とかって話になりがちなのですが、少なくとも、そこで暮らしている人がいる、それをないがしろにしてお金の話ばかりするわけにはいかない、という視点は、忘れてはならないことだと思っています。
 

旅と鉄道 | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | - | -

この記事に対するコメント

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://work.kuma-i.com/trackback/1195384
この記事に対するトラックバック