熊式。

大熊一精(おおくま・いっせい)の日々あれこれです。
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つれづれなるままに、夜行列車の話

昨日のブログに書いた松山千春の動画で、千春が「足寄1枚」と言って切符を買う場面。よく考えてみるとこれは(2017年の視点で見ると)すごいことで、足寄までの乗車券を買えば、それだけで、札幌から足寄まで帰れるのです。

動画の中の窓口には、「寝台券・指定券等はみどりの窓口でお求めください」と書いてあります。寝台券や指定券は、それほどに、特別なものだったのでしょう。

札幌から足寄まで、乗車券だけで帰れたのは、夜行の鈍行列車があったからで、この列車には(寝台車が連結されていたために=寝台券を売るときに名前がないと困るので)「からまつ」という列車名が付されていました。当時の北海道だと、このほかに、函館〜札幌間にも夜行の鈍行列車がありましたが、こちらはすべて座席車だったので、列車名は付いていません(で、そっちはぼくも乗ったことがあります)。

寝台車が付いていたのであれば、寝台車に乗りたいか…というと、この動画を見て、寝台車に乗りたいとは、まったく、思わないのですねえ。思えば、北海道ワイド周遊券で旅をしていた頃、上野から青森まで、あるいは帰りの青森から上野まで、寝台車に乗るという発想は、まったく、なかったのです。そりゃカネがなかったからだろうと言われれば、まあ、そうかもしれませんが、でも、ぼくは、青森からわざわざ秋田・山形まわりの《津軽》で帰ったこともあるぐらいで(もちろん座席車で)、当時の価値観としては、《ゆうづる》《はくつる》などの寝台特急に乗って早く着くことにはありがたみを感じてなかった、ということなのでしょう。

じゃあ何がよかったのかといえば、長く列車に乗っていられる、ということで、だから、札幌から釧路行きの夜行の鈍行列車で旅をしている人々の姿を見ると、すごく、うらやましくなってくる(しかも、これ、まだ石勝線開業前ですから、根室本線まわりなんですよね)。

その延長線上にあるのが《北斗星》で、北斗星はフランス料理だのロイヤルだのが人気の要因だった、みたいな印象になっちゃってるかもしれないけど、どうして北斗星に乗りたかったかといえば、上野から札幌まで、乗換なしで、一本の列車で行けたからだったんじゃないかと思うのです。もし、北斗星に座席車が付いていたら、寝台車ではなくそっちを選んだかもしれない。

最後の最後になって、急行《はまなす》が指定券も寝台券も取りづらい人気列車になったのだって、日付を越えて夜通し走ってくれること、夜が明けると別の場所に行っていることが楽しかったからであって、べつに設備が豪華だったからではない(というか、そもそも豪華じゃなくて、車両はもうボロボロでした)。

豪華列車というのか、クルーズトレインというのか(鉄道会社は自ら「豪華」とは言ってないような気がするんだけど)、それらがちょっと違うのは、そこなんだろうな。かつての夜行列車の旅が楽しかったのは、列車に乗って移動ができたからで、同じところに戻っちゃうのは旅じゃない。列車は好きだけど、本当に好きなのは汽車旅、みたいなことで。

そして、夜行列車は、客車でなければならないのです。駅に停車したときには、エンジンの音もモーターの音も聞こえない。そして、動き出すときには、機関車が客車を引っ張る、がくん、という衝撃が来る。

JRの会社間を走る列車を新たに設定するとなると大変そうなんだけど、たとえば北海道内だけでも、夜行列車は、作れるんだよなあ。もちろん線路が残っていることが大前提なんだけれども、札幌から釧路でも、網走でも、稚内でも、十分、夜行が走れる距離なんですよねえ(現にバスは夜行便が走っているわけで)。函館だとちょっと短いかもしれないけど。
 
気動車でもいいんだけどさ、客車で、なんとかならんかなあ。客車を見つけてくるのみならず、機関車をどうするか、機関車を運転できる人をどう確保するか(機関車を運転できる人はどんどん減ってきてますからねえ)、いざやろうと思えば、そう簡単なことではないはわかるんだけど、そんな列車が、一本ぐらい、あってもいいよなあ(といっても、この時代にあっては、一本だけ他と違う列車を仕立てるというのが、これまた、大変なことではあるのですが…そんなことはわかったうえで、夢を膨らませてます…現実的な話ばかりしていると「できない」ってことばかりになっちゃいますから…)。

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