熊式。

大熊一精(おおくま・いっせい)の日々あれこれです。
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ビジネスをつくる仕事(講談社現代新書)

とてもおもしろかったです。

「はじめに」に書かれている想定読者の中にぼくは含まれていないのですが、でも、おもしろかったです。著者(1962年生まれ)は新卒で三井物産に入社し現在も三井物産に勤務していらっしゃる方なので、本書の内容は著者の(=大企業での)経験に基づくもの、ではありますが、大企業でなくとも、中小企業でも(最近は「中小企業・小規模事業者」と称されるようですが)、個人でも、行政でも、ビジネスに接する場面のある人すべての人が意識しておくべきことが、たくさん書かれています。
 

「ビジネスをつくる」というとすぐにベンチャー企業を設立することを思い浮かべ、自分には縁遠い話だと思う人もいるかもしれない。しかし、日本では、ベンチャー起業よりも社内で新しいビジネスをつくるほうが向いている環境にある。…(中略)…サラリーマンが猛烈な愛社精神を支えとして、会社が与えた目標をひたすら遂行する時代は終わった。いまだにそのようなことをしている会社は、新しいビジネスを産み出せずに衰退する。これからは、会社とやや心理的距離をもちながら、現場のみんながそれぞれの持ち場である程度の自由と主体性をもってビジネスをつくるという創造的な仕事が、会社にとっても日本社会にとってもますます必要になる。
(「はじめに」から一部引用)


この本全体を貫いているのは「昭和の成功体験(に引きずられた様式)を忘れること(の大切さ)」です。

すなわち、
 大事なことは明確な目標の設定だ
 目標を決めたら何も考えずに突っ走れ
 一生懸命やっていれば結果はついてくる
的な価値観はもはや通用しない、労力をかけるのはそこじゃない、ってことです。

そんなのあたりまえでしょ?と思わないでもないのですが、でも、(ぼくもこの10年の間にいろんなことやっていろんな人を見てきましたが)まだまだ、日本のビジネスの世界を支配しているのはそういう価値観であり、そういう価値観に基づいた行動様式であり、さらに不幸なことにはそれが正しいと思っている(=いまさらそれを否定することができずにいる)人がけっこういるのですよね。
 

「自分は口が堅い」「オレが腹を決めればいいんだろ」「最後は、オレが行商でもなんでもして売るさ」と自分の性質や覚悟をすぐ語る人は、要注意である。
(p.198)


いるよね〜(笑)。

情報通信技術が発達してクラウドがどうのこうの、だの、世界経済はリーマンショックで云々、とか、そういった、言葉が宙を舞っているようなページはありません。すべての文章が、地に足の着いた、ぐっと腹に落ちる(落ちやすい)ものです。

必読!
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おかげさまで、「ビジネスをつくる仕事」は、重版となりました。先週の金曜日にのぞいた丸善丸の内店(オアゾ)の新書週間売り上げベスト9になっていました。これだけの方が手にとって読んで下さっているというのは、本当にうれしいものです。さらに、いろんな方から正
「ビジネスをつくる仕事」書評 | らくちんのつれづれ暮らし | 2013/11/10 8:56 PM