熊式。

大熊一精(おおくま・いっせい)の日々あれこれです。
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iPadだけ持って礼文島へ行く

もちろんiPadだけではない。着替えも持っていくし、カメラも持っていく。iPadだけ、の「だけ」が意味するところは、パソコンを持たずに、である。

なぜあえてそうしてみたのか?

まず、今回はわずかに2泊3日(往路は夜行バスだったから3泊3日という言い方もできる)、3日のうちいわゆるウィークデイは最初の一日だけ、ものすごく切羽詰まった(メールにデータのファイルを添付してやりとりしなければならないような)仕事はとりあえずはない、だからパソコンはなくても困らないであろう、といった現状認識があった。

それとともに、新しいiPadが快適であることも、iPadだけ、の大きな理由であった。実際のところ、礼文島のいつもの宿にいるときに仕事関係の電話が来て、メールを確認しなければならない場面は発生したのだが、まったく困ることはなかった。

こういうことを言うと、旅先でまで仕事に追いかけられるのはイヤだ、なんて人がいまだにいるのだが、それなりの仕事をしていればそういうことは避けられない。むしろ、仕事があるから休めない、行きたいところに行けないというほうがまずい。せっかく便利なITツールがあるのだからそれらを有効に使えばいいのだ。

大事なことを忘れていた。

礼文島のいつもの宿に、今年からWi-Fi環境が整備されたのだ。だから、3G回線のない新しいiPadだけでも、ネットが使えるのだ(去年まではほとんど礼文島滞在用のためだけにドコモの通信カードを契約していた〜礼文島だとイー・モバイルなんかは使えないのよ)。

だから、あえて、新しいiPadだけを持っていった。この間まで使っていた初代iPadは重かったが、新しいiPadであれば旅の荷物における負担感はパソコン(MacBook Air)を持っていくのとは大きな違いになる。

ちょっと想定外だったのは、iPadから(アプリでなく)ブラウザ経由でフェイスブックに入ると写真のアップロードができず、フェイスブックに写真を載せたいときはアプリを使わざるを得ない、そうするとその写真は「携帯アップロード」のアルバムに入ってしまい写真を見てもらいにくくなる、ということなのだが、まあそんなことは事前に確認しておかなかったことのほうが問題なのだし、それで何か決定的に困ることがあるかといえば、それほどのことはない。

それと、iPadからだとブログの更新がしづらく、とりわけ写真はほぼ載せられないに近くなるので、リアルタイムな旅日記ふうのことはやりにくいのだが、それはフェイスブックでも代替できる。もちろん、ブログとフェイスブックとでは異なる面も多いのだが、そこは「違う」ということがわかっていれば、ストレスにはならない。

iPadだけ、と言ったが、もうひとつ、忘れてはならないアイテムがある。7notes用のスタイラスペンだ。このペンを使ってiPad上の7notesに手書きしていくのは、スケッチブックに描いていくような気持ちよさがある。

旅行の荷物の邪魔にならないという点では、薄くて軽いMacBook Airはかなりいい線をいっている。でも、このスタイラスペンの心地よさだけは、MacBook Airではどうやっても得られない。パタンと開けてキーボードに指先を乗せながら目はディスプレイを見ている、すなわち、目線の場所と、文字を紡ぎ出している場所(指先)とが別の場所にある限り、この心地よさは得られない。

してみると、手書きっていうのは、指先の動きが目を通じてダイレクトに脳に伝わってくるから、脳の指示(による手と指の動き)とその結果に対する脳の認識との間にタイムラグがないから、キーボードを通じた文字入力とは違う発想が湧いて出てくるってことか?(この辺の理屈について詳しい方にお話をうかがいたいです)。

7notesにスタイラスペンを使って手書きで書くのは、キーボードを打ちながら文章をつくっていくのに比べると、若干、まだるっこしい。iPadの画面に手書きで書いた文字がデジタルデータに変換されるまでの間にはわずかな(しかしキーボードで入力するのに比べるとすごく長く感じられるであろう)タイムラグがある。7notesに手書きで書いた文字が、こちらが思っていたのとは別の文字として認識されてしまうことも少なくない

でも、それも慣れの問題であって、キーボード入力だって誤変換のときとかこちらが思っていた漢字が変換候補の中に見つからないときはイライラする。それが文章のリズムや思考のリズムを乱すかといえば、そんなことはない。ワープロ導入初期には、いきなりワープロで書きはじめると文章がおかしくなる、ワープロは清書用、なんて考え方もあったが、いまどきそんなことを信じている人はほとんどいない。使う側の頭の中、思考の回路が、ワープロ的なものに合わせられるようになったのだ。人間の脳というのはじつに柔軟にできているのだ。

そんな便利なiPad+7notes+スタイラスペン(Su-Pen)。これにWi-Fi環境があれば、こうして書いたものをエバーノートに送って(7notesにはエバーノートとの連携機能がある)、あとはいつでもどこでも書いたものを引き出せる。

今回は、そういう実験をしてみようと考えて、ここまでの文章をすべて7notesにスタイラスペンで手書きしてみた。それをエパーノートにこれから送るつもり。そして帰宅した後にそいつ(=いまお読みいただいているこの文章)をブログに載せます(いまお読みいただいている時点ではすでにブログに載っているはず〜だからいまこうしてお読みいただいているのですよね)。

しかも、これを、わざわざ、礼文島のいつもの宿の前の、海に面したベンチに座って書きました。これまた、ここでパソコン開いてかちゃかちゃやってると追い詰められた営業マンが出先で日報書いてるみたいになっちゃうんだけど、iPad(キーボードのない一枚デバイス)にペンで書いてるのであればまるで目の前の風景をスケッチしているような感じがして、さほど不自然にはならないんだな。

旅行にはMacBook Air、旅にはiPad。

違うな。旅にはハイソフトだ。


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