熊式。

大熊一精(おおくま・いっせい)の日々あれこれです。
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所詮暇人之乗物也



そのご老人は「誰と?」と言った。

誰と?

聞き違いかとも思ったが、その言葉は、僕が「これから北斗星で帰ります」と言ったことを受けて発せられたものだ。傍らにいるKクンと一緒に乗るとでも思ったのだろうか?

「ひとりです。ひとりで乗ります」

上野駅の13番線ホームから、Kクンに見送られて、僕は、札幌行き寝台特急北斗星号に乗った。



北斗星は、上野駅を19時03分に出発し、終着の札幌駅には翌日の午前11時15分に到着する。所要時間は16時間を超える。移動のための手段としては、時間がかかりすぎて、お話にならない。なにしろ、上野駅で北斗星の出発を見届けてから羽田空港へ向かっても、新千歳空港行きの最終便に十分間に合い、日付が変わる30分前には札幌に着くことができるのだ。しかも、運賃・料金は、飛行機のほうが1万円以上も安い。

でもね、たまに、乗ってみたくなるんですよ。

数えてみたら、最後に北斗星に乗ってから、1584日が過ぎている。さらにその前は、その1578日前。僕は、4年4ヶ月ごとに、北斗星に乗りたくなるらしい。

一夜明ければ、窓の外は雪景色。


手前にあるのは個室のカードキーです。

朝が来て最初に停車した駅は、福島県の郡山駅。



っていうか、それ、おかしいでしょ。しかも下車してるし。

所定通りのダイヤであれば、噴火湾を右手に見ながら、落部あたりを走っている頃である。車内放送では「ただいま9時間40分遅れで運転しています」との案内があった。

僕が乗った北斗星は、上野を出てから2時間ほど走ったところで、黒磯駅に臨時停車したまま動かなくなった。「この先(黒田原〜豊原)で線路際の竹が雪の重みで倒れて架線に接触した模様」との案内があったときには、架線が切れていないのであれば竹を撤去するだけだからそのうち動くだろう、真冬の北国の旅なのだから5時間ぐらいの遅れは許容範囲だな…と考えていた。

なぜ許容範囲が「5時間」だったのかはわからない。北斗星が5時間遅れで収まれば、札幌到着は、東京を朝出発して東北新幹線と特急列車を乗り継いだ場合のもっとも早い到着時刻よりは早くなる。去年の9月に東京から札幌まで昼間の列車を乗り継いで移動して以来、ときどき時刻表を眺めては東京から札幌への乗り継ぎ旅程を確認していたから、その辺のことは頭に入っていた。だから、瞬間的に「5時間」が頭に浮かんだのかもしれない。

理由はどうあれ、5時間ぐらいなら、と考えたのは、現実にはそんなことは起きないだろうし、仮に起きたらネタ的におもしろいと思ったからで、まさか本当に5時間も動かなくなるとは思ってもみなかった。

実際は、5時間どころではなかった。北斗星が黒磯駅に停車したのが21時06分頃、「おはよう放送」が流れたのが翌朝06時30分過ぎ(この時点ではまだ「倒れている竹の量が多く伐採に時間がかかっている、運転再開時刻は未定」と言っていた)、そして動き出したのが06時45分頃だった。つまり、北斗星は、黒磯駅のホームに9時間40分ほど停車していたことになる(運転停車なのでドアは開かない)。

すっかりごぶさたの東北本線を昼間走るのも、それはそれでおもしろいかもしれないと思い始めていたのだが、白河を過ぎたあたりで「郡山から新幹線に乗り換えてください」との案内があり、郡山駅で、振替列車となる4本の列車の指定券をもらった。


(北)郡山→仙台/仙台→新青森/新青森→函館/函館→札幌

この経緯を、昨日の報告を兼ねた友人諸氏へのメールや、Facebookの自分のウォールに書いたら、当然のごとく「大変ですね」との反応があったのだが、当事者(=おれおれ)は意外にそうでもなくて、いまこうして書いているみたいに「ネタができてよかった」ぐらいの感覚なのですね(心配してくれた皆様には申し訳ないですが)。

だってさ、とりあえず日曜日のうちに札幌に帰れれば困ることはないし、北斗星が12時間遅れで深夜の帰宅になったりすると面倒だな、ぐらいの危惧はあったけど、黒磯の停車時間が長びくにつれて頭をよぎり出した札幌駅17時29分着で帰れることになったんだし(札幌駅17時29分着は出張帰りによく乗る列車だからなんとなく気が軽くなったのかもしれない)、指定券も用意してもらえたから座席の心配もいらない(実際には全車指定席の《はやて》以外はガラガラだった自由席車両に乗った)。

それにしても、と思うのは、北斗星との相性の悪さだ。じつは、前々回の北斗星乗車〜8年8ヶ月前〜も、北斗星に乗った区間は上野から郡山までだった。白河を出たあたりで宮城県沖を震源とするM7.0の地震が発生(Wikipediaによる説明)、岩手県や宮城県の一部では震度6弱を記録したこともあり、東北地方の鉄道各線は運転見合わせとなり、北斗星も郡山で運転打ち切りとなってしまったのである。僕はまだかろうじて動いていた東北新幹線で郡山から東京へ強制送還され、その日は実家に宿泊し、翌日に羽田から飛行機で札幌へ帰った(このときのことはまだ季刊だった「旅と鉄道」の誌面で紹介され、結果的にはこれが旧タビテツに僕の名前が載った最後の機会となった)。

お見舞いに行った日にこういうことになったのも、ひょっとすると何かの因縁なのかもしれない。



さて、ここで問題です。

今回購入した乗車券(東京都区内→札幌市内17,930円)、特急券(2,940円)、B寝台券(ソロ、6,300円)の合計金額27,170円のうち、払い戻しになったのはいくらでしょう?ちなみに予定の列車時刻(上野19時03分発→札幌11時15分着)に対し、実際の行程は、郡山・仙台・新青森・函館で4回の乗り換えがあって札幌駅到着は17時31分(予定比6時間16分遅れ)、振替列車はすべて指定券が発行されていました。

答えはコメント欄かメールでください。締め切りはありませんが、私の気分しだいで正解を公表します。正解者がきわめて少なかった場合には、正解された方に賞品を差し上げるかもしれませんが、差し上げないかもしれませんので、あしからず。

ところで、いちばん上に載せた写真、いま気づいたんですけど、発行年月日が1日ずれてます(^^;)。

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この記事に対するコメント

通常なら、特急料金2,940円だけなんですが、IGRと青い森の兼ね合いがありますね。
この区間はJRに乗っていますから、新幹線経由の運賃(14,070円)との差額(3,860円)も返ってくると思います。

合計6,800円

合ってますでしょうか。。。
TKSY | 2012/01/22 9:42 PM
2940円でしょうかね?
ひろしま人 | 2012/01/25 12:27 AM
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