熊式。

大熊一精(おおくま・いっせい)の日々あれこれです。
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2011 J2 第38節 コンサドーレ札幌-FC東京

2011 J2第38節@札幌ドーム 12月3日(土)12:32/39,243人
コンサドーレ札幌 2(2-0,0-1)1 FC東京
[得点]
(札幌)前半40分 内村圭宏(1-0)
(札幌)前半45分+2 内村圭宏(2-0)
(東京)後半35分 谷澤達也(2-1)



終わったから言うのだが(ということを言うと「終わってから言うのはどうのこうの」と言ってくる人がいるんですが終わってからでないと言えないことだってあるわけで)、最後に昇格が得失点差で決まるようなおもしろいことは起きないだろうと思っていたし、そうならないとすればきっと札幌が東京に勝って徳島は岡山と引き分けるまたは負けるのだろうと思っていた。

そんなことは、始まる前には、言えませんよ。

自分の周囲のリアル世界では、ふだんからコンサドーレの試合をよく見ている人ほど「東京には勝つよ」と言い(そこにはもちろん願望もかなり含まれてはいるのだろうが)、あまり見ていないがJリーグのことをそこそこ知っている人は大半が「FC東京に勝つのは難しいだろう」と言っていた。今シーズン後半の札幌の粘り強さをもってすれば、リーグ最終戦にこれといった目標があるわけではない東京に勝つのは、やさしくはないけど難しくもないように思えた(むしろ前節の湘南戦のほうがよほど難しかったのだが、そこを乗りきってきた以上、負けるわけはないのだ)。

負けるわけはない、というフレーズが頭に浮かぶと、「負けるわけはないさ た〜た〜かえ〜 おれのとうき…」というチャントが出てきてしまう私は、試合中、一度だけ、東京サポーターのチャントのリズムに合わせて手を打ってしまった(笑)。川越まつりの山車のひっかわせで相手のお囃子に負けたような気分だった。



<札幌>
-----------近藤-----------
--砂川-----内村-----古田--
-------宮澤----河合-------
--岩沼--奈良--山下--高木--
----------ホスン----------
(交代)
後半25分 内村→岡本
後半38分 砂川→芳賀   
後半45分 近藤→上原

<東京>
---------ルーカス---------
--田邊-----坂田-----谷澤--
-------羽生----高橋-------
--椋原--今野--森重--徳永--
-----------権田-----------
(交代)
HT 坂田→ロベルトセザー
HT 田邊→石川
後半24分 高橋→上里

今シーズン初めて先行入場のありがたみを感じつつ、ホーム側のゴール裏下へまわったら、ジオゴが募金のブースに立ってて驚いた。当日のスポーツ紙の予想では近藤先発になっていたものもあったが、それでもジオゴの名前はベンチ入りメンバーの欄に書いてあった。

この1週間、平川さんがいろんなところで「ジオゴでなく近藤を先発で」と言っていたのではあるが(少なくとも私は新聞に書いてあったのとテレビの生放送でそう言っているのを見た)、それはジオゴにボールが収まらないからというよりは前節の後半のGKへのバックパスみたいなヘディングシュートのことを言っていたのだが、ジオゴがベンチからもはずれてサブに横野を入れたってことは(横野のコンディションとかわかんないからなんともいえないけど)、気持ちに重きを置いたってことなのかなと勝手に想像していた。

立ち上がりの札幌は、ずいぶん前から行くなあ、という印象。砂川や宮澤がかなり激しく前からプレスをかけていく。守備のスタートのラインがふだんよりもかなり高い感じで、これで大丈夫かいなと心配したが、15分ぐらいからはいつものところに落ち着いた。

かたやの東京は「あれっ?」みたいな凡ミスが何度かあって、やっぱりそういうものなのかなと思った(まあ、こちらはいつも以上に札幌に入れ込んで見てるから、そう見えちゃうのかもしれないけど)。あとレフェリー。松尾一さん、って、前節では徳島対鳥栖の主審を務めた方で、2試合続けてこういうしびれる試合って大変だろうなと思うのだが、この人が接触プレーをかなり流してくれたので(これは徳島対鳥栖でも同じで、ペナルティエリア付近以外ではよほど危険なものでない限りファウルはとらなかった)、へんなストレスはなかった(厚別の鳥栖戦もこういう人が裁いてくれれば…って、まだ言うか)。

私のまわりはみんな「時間の経つのが早い」と言っていたのだが、私は前節の湘南戦に比べればそうでもなくて、徳島の試合経過如何とはいえ(徳島が勝つにしても岡山ホーム最終戦なんだから大量得点はなかろうと思っていた〜岡山にはPRIDE OF 中四国の優勝もかかっていたことだし)、前半のうちに先制するよりは終盤まで緊張感の高い状態で戦ったほうが失点しづらい(負けにくい)だろうなと思いながらも、でも前半のうちに点をとれれば楽なんだよなと、どっちだよ!な状態で迎えた前半40分。

もう、あの先制点の場面は、何度もテレビで見ちゃってるわけだが、文字にすると、左サイドの高い位置で岩沼が相手ボールを奪って(なんで岩沼はあんなところにいたの?)河合に戻し、河合が入れた縦パスを相手を背負った近藤が砂川に落とし、砂川が相手の裏の大きくあいたスペースに縦パスを入れて、そこへ(本来は右サイドのポジションである)古田が走り込んでドリブルで持ち込んでゴールラインぎりぎりから低いグラウンダーの高速クロスを入れて、内村が合わせた、という、まあ、じつにすばらしいゴールで、とくに内村のゴール前で消える動き(今野を完全に幻惑)なんて最高なんだけど、現場で見ていたときは、バックスタンドだったこともあって、目の前のスペースに出てきた古田がすばらしかった。湯浅健二的表現を借りれば「爆発的なフリーランニング」ってやつですよ。

古田って、ここんとこ(というのがいつからなのかはわかんないで書いてますけど)、ボールを持ったらフリーの味方を見つける、味方が上がってくるまで待つ、みたいなのが多かったように思うんですけど、前節の湘南戦のどっかんゴール以降、すごく自信を持ってドリブルしてるように見える。この試合の後半でも、右サイドでボールを持ってから相手がたくさんいる中央へと入っていったのがあって、まあ、あれなんかはスコアの問題もあるんだろうけど、湘南戦のゴールで一皮むけたんじゃないか(と思いたい)。私はああいう古田をもっと見たい。

前半45分+2の内村の2点目は、ドームにいた人でも見てない人がけっこういます。混んでたし、その直前に先制してほっとひといきっていうのもあったし、もうハーフタイムを待つだけだと誰もが思っていたから、トイレとか喫煙とかに席を立っていた人が少なくなかった。

でも、選手は、これでハーフタイムだなんて、思ってなかったんだな。

今度は右サイドの低い位置で、純平と古田がボールを奪って縦に出し、近藤が今野をかわしてドリブルでぐいぐい前進、中をフォローした内村に横パスを送ると、内村は最初のタッチで相手守備の届かないアウトサイドにボールを置いて、そこからGKのニアを抜くすばらしいシュート。これぞザ・ストライカーですよ。私はこのゴールはすごく好きだ(が、サッカーやってた人の場合は、1点目の内村のボールを受ける前の動きのほうを絶賛する傾向があるようだ)。

岡山対徳島はその時点でまだ同点だったから、このままいけば昇格(正確には3位以内)決定なんだけど、前半で札幌が2点リードなんて、はたしてチームの想定の中にあったのか、それが心配だった。ドーハの悲劇のとき、ハーフタイムにオフトが何を言っても選手がざわざわしちゃってどうしようもなかった、っていうのがあったじゃないですか。私は、コンサドールズ見ながら、いまロッカールームはどうなってるのかなあ、あんなことになってなければいいけど、と、内心、かなり心配してました(もちろんそれは口には出さないんだけど)。

後半開始から東京はセザーと石川を入れてきた。サンキュー坂田はイエロー1枚もらってたし、田邉はほとんど何もできなかったから、まあ、わからないでもないのではあるが、ああ、東京はやっぱり勝ちに来てるんだなと、すごくあたりまえのことを考えてしまった(試合しに来てるんだから「札幌さんもがんばってください」なんて考えるわけないのに)。

2点リードしていようがいまいが、相手が東京だろうがどこだろうが、攻め込まれ続けるのは今季のデフォルトなんだからしょうがない。アタッキングサードというかいわゆるバイタルエリアは今季の札幌にとってはvitalではなく、そこで相手に持たれるのは承知のうえで、その後ろを人数かけて守るのが今季のやり方なんだから、それを見守るしかない。

でもでも、4万人近い観衆となればそんなことは知らない人のほうがほとんどであるわけで、「ああやっぱり」みたいな声がどこかから聞こえてくると「おいおいやめてくれよ、ピンチだからってキャーとかワーとか言うなよ」と思うのだが(思うだけじゃなくて「そういうこと言うなっ!」って叫んでたような気もする(笑))、その一方で、バックスタンドアウェー側の私の周辺でもがんばって手拍子を打ち続けたりポジティブな声援を送ったり、中には(バックなのに)チャントを歌ってる人もいたりして、いつも来ている人の思いがいつも以上に強かったことが、空気が沈滞することを許さなかった。

後半35分の失点(セザーのシュートのリバウンドを谷澤がきれいに蹴り込んだ)は、まあ、想定内でしょう。東京だってあれだけのサポーターの前で、無得点で帰るわけにいかんだろう。でもとにかく1点返しておけば最低限の仕事はしたようなものだし、万が一同点に追いつかれることはあったとしても、逆転はなかろうと勝手に考えていた(それ以上に、最初に書いたように、徳島が勝つとは思っていなかった)。

私は試合中は他会場の試合経過をチェックするようなことはしたくなかったのだが、近くにいる友人たちの誰かは知っているのだろうと「うちらはこのままでいいのか?」と尋ねたら、頷きとともに「ぜろぜろ」との答えが返ってきた。

あとでJリーグアフターゲームショーFINAL(この時刻に多言中継的に生放送されていたスカパーの番組)を見たら、東京が1点返した時点で平畠啓史さんが「東京がもう1点とって徳島が1点とったら昇格するのは札幌ではなく徳島になる」と騒いでいたのだが、現場にいる私はそんなことはまったく想像していなかった(札幌が勝つだろうと思い込んでいたというよりも、そのときの自分の頭の中にはそうしたことを考えられる余地が残されていなかった)。

ただ、ね、最後は、キープでもよかったんじゃねーか、とは、現場で見ているときも思ってました。そんなことしたらあの盛り上がりに水を差すことになるんじゃないかとも思えるのだが、柳下監督の最初の年だったか、札幌ドームの最初の試合で、最後の最後に市村がシュート打っちゃってそこからカウンターでやられたことがあったじゃないですか。私はあれがいまだに忘れられなくて、それとロスタイムに3点取られたのも忘れられなくて(あのときのニットマフラーを身に着けている人は多かったなあ〜誰かハウスメイトさんに教えてやってくださいよ)、まあ、この日の東京がそこから3点取りに来るとは思えないんだけど、でも、あそこは、シュート打っちゃいけなかったような気がする。

主審が試合終了を告げた直後は、スカパーのCMの権田みたいな感じで両手あげちゃって(おれが)、自分でも意外なことに、ほんの少しだけ涙が出てきちゃって、びっくりした。2000年の平塚での昇格決定時(正確には2位以内決定時)は終了間際に気持ちがおろおろしたし、2007年のときは隣にいた友人と握手した後に気が抜けたみたいにどかっと座り込んだ。今回は、もう3回目だし、前回と違ってJ2で戦ったのは3シーズンだけだったし、感覚的には「J1昇格」じゃなくて「J1復帰」だったから、さほど気持ちが動くことはなかろうと思っていたのだが、出ちゃったんだから仕方がない(で、ホントのことを言うと、それより少し前〜まだインプレーだった時間〜から涙がこぼれそうになっていて必死にこらえていたのであった<だから私は西武球場の一塁ベースに立っていた清原を笑えない)。



ホスンが膝をついて前のめりになったまま立ちあがれなくて(泣いていたのだろう)、それを起こしにいったのが岡山だった(その後で横野が行ったんだよね<やっぱりいいやつだ)。あのとき、誰が岡山の言っていることを本気でとらえていただろう。岡山がいなければ、やっぱり、昇格はなかった。

39,000人超となると、座りきれないんだね(11月28日のスポーツ報知の記事には札幌ドームのサッカー定員は37,000人強だと書いてあるが、はからずもそれが証明されたわけです)。エレベーターで上がったところに観客がいるのを見たのは、たぶん岡田監督が挨拶したとき(最後に藤ヶ谷が大柴に股抜きシュート打たれて負けたとき)以来だよ。

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