『ボクには世界がこう見えていた 統合失調症闘病記』
かなりヘビーだった。
だいたい闘病記というものは、いろいろ大変だったけどいまはこうして元気にやっています、というものだと思うのだが、この本の著者は、現在も普通の社会生活はできていないのである。いや、そうすると、「普通の」ってなんですか?っていうのが、この本のテーマだったりもするわけだが。
私は統合失調症というのがよくわからなかったのだが、著者が統合失調症で入院したのはいわゆる精神病院で、鍵のかかった個室に入れられたりもしている。そしてその前にはこういう体験をした、という話が、当時の記憶や当時の著者のノートを元に展開されていくのであるが、これがじつにきつい。どう考えても著者の脳内世界でしかないものが「夢ではなく本当に体験したこと」として書き綴られている。
著者は、最初に発狂した(という言葉を著者自身が使っている)とき、母校である早大を訪れている(ここでかなり大きな事件が発生する)。これは私が在学中の出来事なのだが、著者が描いている学生会館とかラウンジにたむろしているサークルのノートがどうこうとかの描写はすばらしく、読んでいるうちに当時の空気が甦ってきたほどだ。そういう意味では、著者の文字による表現能力は、すごく高いのだと思う(が、それゆえに、妄想としか思えないもののパートがきついのである)。
おもしろい(という言葉が適切かどうかは難しい)本なんですけど、体調のいいときに読んだほうがいいと思います。
だいたい闘病記というものは、いろいろ大変だったけどいまはこうして元気にやっています、というものだと思うのだが、この本の著者は、現在も普通の社会生活はできていないのである。いや、そうすると、「普通の」ってなんですか?っていうのが、この本のテーマだったりもするわけだが。
私は統合失調症というのがよくわからなかったのだが、著者が統合失調症で入院したのはいわゆる精神病院で、鍵のかかった個室に入れられたりもしている。そしてその前にはこういう体験をした、という話が、当時の記憶や当時の著者のノートを元に展開されていくのであるが、これがじつにきつい。どう考えても著者の脳内世界でしかないものが「夢ではなく本当に体験したこと」として書き綴られている。
著者は、最初に発狂した(という言葉を著者自身が使っている)とき、母校である早大を訪れている(ここでかなり大きな事件が発生する)。これは私が在学中の出来事なのだが、著者が描いている学生会館とかラウンジにたむろしているサークルのノートがどうこうとかの描写はすばらしく、読んでいるうちに当時の空気が甦ってきたほどだ。そういう意味では、著者の文字による表現能力は、すごく高いのだと思う(が、それゆえに、妄想としか思えないもののパートがきついのである)。
おもしろい(という言葉が適切かどうかは難しい)本なんですけど、体調のいいときに読んだほうがいいと思います。
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