熊式。

大熊一精(おおくま・いっせい)の日々あれこれです。
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『小さなチーム、大きな仕事』

ジェイソン フリード,デイヴィッド・ハイネマイヤー ハンソン
早川書房
¥ 1,155
(2010-02-25)

 僕たちの文化は仕事依存症を称賛している。僕たちは徹夜で働く人たちのことを聞く。彼らは徹夜して、オフィスで寝る。プロジェクトで自分を死地に追い込むのは名誉の勲章だと思っている。どんな仕事でも多すぎたりしない。
 こうした仕事依存症は不必要なだけでなく、バカげている。たくさん働くことは、よりよいケアができることや、たくさん達成できることを意味しない。単にたくさん働いたというだけだ。
(p.22)

それはそうなんだけどね…と言ってはいけません、が、でも、やっぱり、短い時間しか働かない自分をどこかで恥ずかしいと感じてしまう、あるいは、そんな楽な仕事しかしてないと思われるのはイヤだと感じてしまう、そんな自分がいます。

この本は、そんな自分に「いやいや、それでいいんだよ」と勇気または自信を与えてくれます。中小企業が大企業に勝つためには大企業以上に働かねばならない、独立したからには会社を大きくすることを目指すべきだ、マスメディアを使って知名度を上げていこう…等々の考え方は、総需要の拡大を無条件に信じることのできたこれまでの世界では有効だったかもしれません。しかし、そんなことしなくたっていいじゃない、ちょっとフレームを変えてみませんか?というのが、この本の内容です。

目次の中から、私が気になるフレーズを抜き出してみると…

 会社の規模なんて気にしない
 仕事依存症(ワーカホリック)はバカげている
 あなたに必要なものを作る
 売却するつもりのビジネスは廃却されることになる
 身軽でいること
 ツールよりも中身が大事
 ヒーローにはなるな
 競合相手が何をしているのかなんて気にしない
 顧客を(あなたよりも)成長させよう
 熱意を優先順位と混同するな
 無名であることを受け入れる
 競合相手に「教える」
 舞台裏を公開する
 プレスリリースはスパム
 『ウォール・ストリート・ジャーナル』は忘れよう
 文章力のある人を雇う
 文化はつくるものではない
 五時に帰宅させる


原著が米国の出版物ゆえ『ウォール・ストリート・ジャーナル』が登場しますが、これは北海道でいえば『北海道新聞』です。本文を抜き出すと《『ウォール・ストリート・ジャーナル』に記事が載れば、エゴは満たされるかもしれないが、おそらく期待しているような結果にはならないだろう。》です。うん、わかるわかる。

いまこうして書き写しながら気づいたのですが、要は「既存の枠組みにとらわれるな」「他人の目なんか気にするな」ってことです(<後者のフレーズは自己啓発書のタイトルか何かにありそうだな)。既存の、というのは、需要拡大社会であり、それゆえに可能であった「機会を増やせば売上も増えて収益も増える」といった考え方です(<ここはこの本を読んだ私の解釈であって、この本の中にそういうことが書いてあるわけではありません)。

5年後ってことはないかもしれないけれど、10年後、20年後の日本の社会には、大きな仕事をする小さなチーム(会社)がたくさんできるんじゃないかな、大企業でも中小企業でもない範疇のプロジェクトチーム的なものがわりと一般的な存在になってくるんじゃないかなと、私は考えています。巷間言われるフリーランスや自営業とはまた違う働き方(というのはすでに存在しているのですが)、それが幸せの一形態として広く認識される日はそう遠くないのではないか(というかその辺の価値観は年齢別人口構成が変わることで変わるんじゃないか)と、まあ、それは、自分自身が会社勤めを辞める前から、ずっと考えていることであるのですが。

そういう意味ではここは私の関心の高いテーマであり、これからもずっと考えたり論じたりしていきたいテーマであります。
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