熊式。

大熊一精(おおくま・いっせい)の日々あれこれです。
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「人口減少経済」の新しい公式(文庫版)

ついこの間、2004年5月刊の単行本を読み直したばかりなのですが、先月、文庫化されてました。

「人口減少経済」の新しい公式(日経ビジネス人文庫)
「人口減少経済」の新しい公式(日経ビジネス人文庫)
松谷 明彦

未読の方は、ぜひ、読んでみてください。文庫本だから安いです(本体743円+税)。文庫本だけど、内容は骨太です。とても大事なことが、たくさん、書いてあります。

以下、「文庫版へのまえがき」からの引用:
 社会であれ、経済であれ、そのリーダーに位置しているのは、基本的に、旧来のシステムにおける成功者である。成功という実績が彼らをその地位に押し上げたわけだし、指導力の源泉もまたそこにある。だから彼らはシステムが変わることを好まない。それに人間の能力には限りがあり、旧来のシステムの成功者が新しいシステムのもとでも成功者たり得た例はまず見当たらない。つまり社会・経済システムの変更は、結局のところ彼らの引退を意味するのだから、なおさらである。
(中略)
 この稿を書き進めているとき、衆議院議員選挙があった。与野党逆転か否かといった表面的な事象にのみ関心が集まったが、実は与党であれ、野党であれ、社会の方向性を決定するという意味において国会議員はその全員が日本社会のリーダーなのである。しかしそこでは、人口の減少と高齢化という明治維新や敗戦にも匹敵する環境変化に対して、日本と日本人がどう向き合い、どう社会や経済のシステムを変革するのかといったことは全く議論されなかった。あくまで旧来システムの維持を前提に、当面の弥縫策が応酬されたにすぎない。
 そして全面的な公的支援、つまりすべてを税に転嫁することによる旧来の年金制度の延命策や、支援すべき分野も対象とすべき人々も限定しない現金給付による子育て支援や農業支援などの政策提案が圧倒的に支持された。努力した人も努力しなかった人も、等しく社会に面倒をみてもらえるのである。頑張った人はそれだけ多く報われるというチャレンジング・スピリッツや自助努力の世界とは全く逆の方向を人々は選択した。
 しかし進行中の急激な人口減少高齢化は、われわれ日本人が正面から向き合わねばならない環境変化のはずである。そして社会・経済システムの根本的な変革をもって対応しなければならない巨大な環境変化のはずである。なぜなら、まず、われわれはその環境変化を押し止めることができない。
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