熊式。

大熊一精(おおくま・いっせい)の日々あれこれです。
<< September 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

あれから10年も

やっぱりたまには本屋さんに行かなきゃだめだ。

本の表紙

なにしろこのところ外出する機会が少ないから本屋さんに行くこともめったになくて、別の本を買おうとひさしぶりにジュンク堂に行って、目的の本を買ってから新刊コーナーを眺めたらこの本に出会ったんですけど、せっかく大量の書籍・雑誌類を処分したばかりだし、そんなことより結構なお値段だし、これはやっぱり買わないでおこう…と、その場を立ち去ったはずだったのに、やっぱり気になって仕方がないので、翌日、わざわざ(このためだけに)ジュンク堂まで行って、買ったのでした。

まだ(処分せずに)持ってるCD。

CD4つ

帰り道はいつも華やいで

本の裏表紙と帯

ぱらぱら眺めているだけで、やさしい気分になってくる、素敵な本。
まだほとんど読んでないですけど、大事に、ゆっくり読み進めたい本です。

本の中身

デジタルはデジタルでいいんだけどさ、
でも、こういう本を手にすると、やっぱり、紙の本、なんですよね〜


 

読書 | permalink | comments(0) | - | - | -

あまりに細かすぎる箱根駅伝ロスの過ごし方!2020マラソン&駅伝ガイド

「あまりに細かすぎる箱根駅伝ガイド!」の兄弟本が登場!

ぴあMOOK あまりに細かすぎる箱根駅伝ロスの過ごし方! 2020マラソン&駅伝ガイド



東京オリンピック開催に合わせて企画されたのでしょうが、こんなことになってしまって、最初のページの(「あまりに細かすぎる箱根駅伝ガイド」=通称あまこまでおなじみの)文字びっしりの「はじめに」には《全テキストとキャプションを書き終え、入稿した翌日。東京オリンピック2020の開催が1年先に延期の知らせ。急遽、手直しを始めたのですが、目次はすでに修正不可能。そして直し忘れたものがあったらごめんなさい。先に謝っておきます。》と書いてあります。

でも、いいんだ。「あまこま」同様に広告が一切入っていないこのムック、写真が美しいんです。ふだん見ないような場面の写真が、大きく、カラーで載っていて、それを見ているだけでも十分楽しい。

もちろん、本文も、コース図などの図表も、丁寧、かつ、おもしろい。

たとえば、日本選手権の説明。

《4日間通しでみると、いままであまり知ることのなかった競技や選手にも自然と目がいくようになり、新たな興味が広がっていきます。そうやって、人々を陸上沼にはめていくことがEKIDEN Newsの喜びでもあるのです。》(p.47)

そして、沼にはまると、新たな常識を知ることになる。

出雲駅伝の説明。

《行楽シーズンということもあって、この時期の出雲は駅伝に関係なく混んでいる。(略)直行便を購入しようとすると、それなりにお値段がかかるため、「貯めたマイレージは出雲で使え」というのが、駅伝ファンでは常識だ。》(p.66)

いや〜、この言いきり!気持ちいいですねぇ!

とりあえず来年は立川シティハーフマラソンに出たくなりました。来年は、東京マラソンがあるから(今から来年の東京マラソンを走れることが決まっているというのは不思議な気分だ)、その翌週になるであろう立川シティハーフに絶対に出る!とは言いきれないけれど、出られるように、がんばろう。

 
読書 | permalink | comments(0) | - | - | -

『書評の星座 吉田豪の格闘技本メッタ斬り2005-2019』

本の表紙

《この本は、2005年から始まった『ゴング格闘技』の書評連載をまとめたものだ。(中略)ハッキリ言えるのは、格闘技関係者でもこれだけの本をちゃんと読み続けている人は確実に存在しないはずなので、約15年間の格闘技史をかなりいびつに網羅した貴重な史料になっていること確実なのである。》(「はじめに」から)という、帯に曰く「この一冊でわかる 格闘技『裏面史』!」。

もっとも、ぼくは、格闘技「オモテ面史」だってよくわかってない。この本で紹介されている165冊のうち、読んだことがあるのが10冊で、発刊当時に読んでみようかなと思ったのが10冊ぐらい、あとの145冊ぐらいは存在すら知らないような本ばかり、というボクでも、むちゃくちゃおもしろかった!本を紹介するこの本自体がとてもおもしろい本になってます。

全部で485ページもあるから読み通すのは大変なんですが、あまりにおもしろいもんで、寝食を忘れてはいないけれど他のすべてのことよりも優先させるぐらいの勢いで読んだら、読み終えた頃には吉田豪さんが自分の中に降臨している!と、吉田豪チックに「!」を付けたくなったりするわけですよ(ただ、これは、吉田豪さんの本を読んだ直後には、いつも起きる現象なんだけど)。

どんなことであれ、仕事というのは「動機」×「熱量」なのだなあと思わされた本、でありました。
 
読書 | permalink | comments(0) | - | - | -

『それでも俺は、妻としたい』



世の中にダメ男が主人公の物語はよくあるけれど、ここまでリアルなダメっぷりを描いた物語は珍しい。森見登美彦の『太陽の塔』または『夜は短し歩けよ乙女』の20年後、みたいな、ただ、年齢を重ねた分、妄想がストレートになっていくような、そんなお話。あるいは、みうらじゅん的、というか、

でも、最後は、泣きました(笑)。こんな(下品な)小説で泣くってどういうことだよ!と腹を立てながら、じんわりと。

今年読んだ本の中の最高傑作、は、言いすぎかな。
いや、それは、これを最高傑作とする自分が恥ずかしいと思っているだけ、かも。


 
読書 | permalink | comments(0) | - | - | -

『昭和四十一年日本一周最果て鉄道旅』

傑作。読みましょう

本の表紙

昭和41年、といっても、今の若い人にはピンとこないかもしれません。ぼくだって、まだ、生まれてませんから。1966年、戦後まだ20年ちょっとのときに、20歳の鉄道好きの若者二人が、上野からただひたすら列車を乗り継いで稚内を目指し、稚内で反転して今度は枕崎を目指し、枕崎から神戸へと戻る17日間の旅の記録が、第一部「昭和最果て巡礼記」。これだけだとただの個人の旅行記で終わってしまうところ、それに続く第二部「巡礼から五〇年。最果ての鉄路は今…」があることで、第一部、すなわち、50年前のこの旅で著者が見聞きしたものが貴重な記録として浮かび上がってきます。

自分よりも二回りの上の方に対してこんなことを言うのはおこがましいのですが、著者にへんな使命感や意気込みが感じられず、むしろ、《所詮は著者の体験を振り返る懐古趣味の所産に過ぎない》(p.186)、《死に行くシニア層の「引かれ者の小唄」だと軽く聞き流して頂きたい》(p.187)というスタンスで書いていることが、マニアものにありがちな独善性を排することにつながっています。そして、懐古趣味だろうがなんだろうが、とにかくこの本を書きたかったんだ!出したかったんだ!という思いが伝わってくる。この「熱」ですよ、出版物(に限らず世に出すもの)に必要なのは。

第二部の第二章「日本一周旅行のその後」の《観察した愛すべき昭和の風景が旅行後の約五〇年間にどのように変貌したのかを以下に順次述べる》の「以下」を読むだけでも、勉強になります。ここには、いろんなことを考えるためのヒントが、たくさんあります。

本の裏表紙と帯に書かれた目次

「日本一周旅行のその後」には、たとえば、こんな見出しが載ってます。

ヤマの消滅
雄別炭礦
羽幌炭礦
天塩炭礦
昭和炭礦ほか留萌炭田(雨竜炭田)のヤマ
悲劇を語るクラウス一七号
私鉄帝国主義の終焉
定山渓鉄道の興亡
「五島ドクトリン」との訣別
高知県交通の消滅
網走交通の変容
駅前風景の消滅

ここを読むだけでも十分におもしろいのですが、これをさらに理解する(頭の中でわかったような気になるだけでなく「腹に収める」状態にする)には、やっぱり、旅行記を読まねばなりません。旅行記を読めば、さらによくわかります。そして、いまぼくらの目の前で起きていることはこういうことなのかと、これまで気づかなかった視点が見えてきます。

この本の最後は、こう結ばれています。

《令和元年一〇月八日、鉄路のみで道内を再巡礼後、我ら信徒の西の総本山・梅小路の鉄博にお礼参り、園内のC六二出発ドラフト音に聞き入りつつ傍らの旧型客車オハフ五〇内で往時を偲び校正の朱筆を執る》
 

読書 | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | - | -